飛行機雲の原理と天気との関係-誰でもわかる!簡単解説-


青空を見上げていると、たまに飛行機雲ができていることがあります。
筆者はなんとなくいいものを見た気持ちになるのですがみなさんはどうでしょう。 

そして、飛行機雲は何度も見たことがあってもどういった原理で発生しているか考えたことはありますか?
また、飛行機雲って天気と関係があるってウワサ聞いたことありませんか?

今回は、飛行機雲の原理と天気との関係性について解説します。

はてなぎ

この前飛行機雲が交差しているところをみたの(実話)

つぐま

へー、すごいね

そんなことあるんだ

はてなぎ

なんとなく飛行機雲ってキレイだよね

つぐま

今回は、その飛行機雲について調べてみようか

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飛行機雲の原理

飛行機雲は、飛行機が通り過ぎた後に発生します。
飛行機が出す排気ガスの煙のようにも見えますが、ちゃんとした雲です。
でも、飛行機が通るたびに発生するわけではありませんよね。

では、どういったときに飛行機雲は発生するのでしょうか。

実は、飛行機雲が発生する理由は2種類あります、順番に見ていきましょう。

排気ガスが原因で発生する飛行機雲

こちらが、一般的によく見る一本(地上からみるとそう見える)の長い飛行機雲が発生する理由です。

ここでは、飛行機雲が発生する条件の一つ高度が関係します。

飛行機が飛んでいる上空は、地上に比べてかなり気温が低いです。
地上から100m高くなるたび、だいたい気温は約0.5℃下がります(雲ができるくらい高い位置の場合)。

山登りをする方ならご存知だと思いますが、山の上に行けば気温がぐっと下がりますよね。
気温が低くなるのはそれと同じです。

しかし、飛行機が飛んでいる上空というのは山の高さの比ではありません。
飛行機が飛んでいる上空は1万㎞くらいなのですが、そこまで高くなると気温も氷点下30℃~50℃くらいまで下がることになります。(気になる方は計算してみてくださいね。)

排気ガスにより発生する水蒸気は300℃~600℃という高温なのですが、飛行機が飛んでいる高度になると周りの気温が氷点下30℃以下という状況であるため、急減に冷やされることになります。

この急激に冷やされるというのが発生の条件の一つで、この条件が満たされると水滴になった水蒸気は一気に凍ることになります。

この凍った水蒸気が地上から見ると雲に見えるわけです。

また、水滴が氷になるといいましたが、飛行機雲が発生するためには飛行機が通った後に水滴が発生する条件も整っていないといけません。

空気というのは、水分を一定量までしか気体として維持できません。
その量の上限を少し難しい言葉で飽和水蒸気量というのですが、その飽和水蒸気量を超えると空気中に気体として存在する水分は、水滴となって空気中に現れます。
その水滴になるための核となるものが、排気ガスによって発生するチリなのです。

これらの条件が揃うための条件は二つあり、一つは気温です。
だいたい氷点下15℃以下であることです。
高度が6000㎞以上必要になります。
そのため、昔はその高度を飛ぶことのできる飛行機がなかったため飛行機雲は発生しなかったといいます。

もう一つは、湿度です。

飽和水蒸気量の話が関係しているのですが、排気ガスにより発生する水蒸気によって空気中の水分が限界を超えることによって水滴は発生します。
湿度は、空気中の水分量が多いほど高くなります。

そのため、湿度が低い場合は排気ガスで発生する水蒸気は水滴として現れてくれません。
この話は、この後解説する天気の話とも関わってきます。

この方法によって発生する飛行機雲は実はエンジンの数によって複数同時に発生します。エンジンから出る排気ガスから発生する雲なので考えてみればそのとおりなのですが、2つエンジンがついている飛行機なら2本、4つのエンジンがついているなら4本できるというわけです。(4つエンジンがある場合でも、2本が重なって2本にしか見えない場合もあります)

実はこの原理は、寒いときに息をはくと白くなるのと同じものです。

飛行機の翼によってできる空気の渦が原因の飛行機雲

長い見出しになってしまっていますが、これが飛行機雲ができるもう一つの原理です。

飛行機が飛ぶ理由に関連しているのですが、物を浮かび上がらせる揚力という力が発生していると翼の上と下では気圧に差がでます。
具体的には、飛行機の翼の上のほうが気圧が低くなっています。

その気圧の差が原因で、翼の端のほうになると渦が発生します。
その渦の中心は気温が低くなります。
その部分で発生した水滴が凍り雲になるのですが、通常の飛行をしている飛行機では、この理由による飛行機雲は発生しにくいです。

では、どういったときに発生するのか。

それは、高速で旋回したり高いGが発生するような飛行をしたときです。
そのような飛行をすると揚力が大きくなるのですが、それにより気圧がさらに低くなり雲が発生しやすくなるのです。

はてなぎ

飛行機雲ができるためには、色んな条件を突破しないといけないんだね

つぐま

うん、理由を知っていると得したものを見た気持ちになれそうだね

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飛行機雲と天気の関係

上の項目でも少しだけ触れましたが、実は飛行機雲と天気には少し関係性があります。

先ほど、飛行機雲が発生する理由に湿度の話をしましたが、上空の湿度が高いというのは実は低気圧や前線が近づいていることが多いのです。
低気圧や前線が近づいているということは、これから雨が降りやすくなるということです。

飛行機雲が長く発生したり、太くなったりしていくということは上空の湿度が高い範囲が広いということになります。

ということは、飛行機雲がなかなか消えないときはこれから天気が悪くなる可能性が高いということです。
逆に、飛行機雲がすぐに消えるときというのは上空が乾燥しているということになるので、これから晴れが続く可能性が高いということになります。

ただし、条件によってはたまたま飛行機が通ったところが湿度が高くなっていただけという場合もあるので絶対ではありません。
ちょっとした天気予報替わりにしてみても面白いかもしれませんね。

はてなぎ

へー、面白いね!

つぐま

絶対じゃないから、天気予報と比べてみる程度にしてね

はてなぎ

信じて傘もっていかなくて雨降ったら悲しいもんね

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まとめ

  • 飛行機雲には、排気ガスが原因で発生するものと翼によってできる空気の渦が原因のものがある
  • 飛行機雲が発生するには気温の低さ(高度)と湿度という条件が必要
  • 飛行機雲が長く続いたり太くなったらお天気は下り坂、すぐに消えるようなら晴れる可能性が高い

今回は、飛行機雲の原理と天気との関係について解説しました。

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