今回は、絵を描く上で必ずといっていい程遭遇するワード「アタリ」について、「なんとなくは知っているけど説明はできないなぁ」とか、「言葉も聞いたことないかも」という初心者さんに向けて少しでもわかりやすく解説したいと思います。
ひとまず、「アタリ」を簡単な一言で説明すると
- 「アタリ」とは、絵のバランスをとるために最初に描く工程
これだけみても、「?」となるかもしれません。
それを踏まえた上で、この記事では初心者さんに向けて必要不可欠なことから少し深い部分までイラストを使って解説したいと思います。
この記事を最後まで読んでいただければ次の内容がわかるようになります。
- 「アタリ」がどういったものかわかる
- 「アタリ」の必要性がわかる
- 「アタリ」の基本的な描き方がわかる
「アタリ」は、色々な絵を描いていく過程で自然と覚え使っていく基本知識ではあるのですが、本当に絵を描きはじめたばかりの人や、これから覚えようとする初心者さんには具体的にはどういったものなのか、なかなかわかりません。
色々なブログやサイトのお絵描き講座でも、必ずと言っていいほど見かける「アタリ」は、初心者さん向けのお絵描き講座であっても、それを知ってる前提で説明してしまってることも多いことに気づきました。
今回は、絵を描く上で前提知識として使われている「アタリ」がそもそもわからないという初心者さんに向けてそれがどういったもので、どういう用途で使うのかを説明していこうかと思います。
興味のある方は是非覗いていってください。
「アタリ」について少し詳しく
まず「アタリ」について説明します。
下のような絵は、絵を描いてみようかなと思っている方であれば誰でも一度は見たことはあるんではないでしょうか?
描いた丸や輪郭に十字の線を入れたり、キャラの全体図を描く前に棒人間でポーズを簡単に描いたりしてるものです。
この工程自体は実際の絵を仕上げる時に、パーツのバランスなどがおかしくならない様に大まかな位置など決めておくためのものです。
描きはじめの頃や、初心者の頃のあるあるですが、顔を描いたり体を描くと何か違和感があるなという経験はきっと一度は経験することでしょう。
というわけで、次の画像を見てみてください。
こんな時にアタリをとれるようになってると、それを改善できるようになります。
生え際なども描きやすくなるぞ!
絵を描く人が良く使ってるから、とりあえず真似してみようとするけれど、実は使い方がはっきりとわかっていないという人もいたりします。
憧れの作家の絵を真似したり模写したりする中で、顔や体のバランスのとり方の必要性が分かってきて、立体の描き方やパーツの位置を把握出来るようにするために「アタリ」をとる。
「アタリ」は絵を描いていく過程で、描き手がその工程が必要だとわかってきた時に使えばいいものだと思います。が、「アタリ」について理解したいというこのページを見に来てくださった初心者さんに向けて、「アタリをとる」というのが大体どういうものかを基本的なポイントを簡単にお伝え出来たらと思います。
色々なパーツの「アタリ」の取り方
顔の「アタリ」について
デザインの本や、専門の学校などで上記のように比率で分けた図で人の顔や体のパーツの基本的な位置や輪郭や後頭部の描き方を教わります。
※これは実際の人だと個人差がありますのであくまで大体の目安です。
ここから描き手が、よりザックリと描き出していった結果が、丸を描いて中に十字を入れるというものです。
その十字線はこの図では中心線といいます。
名前通り輪郭の真ん中に線を引いています。
輪郭の描き方やパーツの大体の決まった位置を覚えていくことが、リアルやデフォルメに限らず立体感のある顔を描けるような練習になります。
上記で説明があったように中心線は、顔の真ん中を把握するだけに使い分けではありません。
顔の縦の中心線は鼻筋を横の中心線は目の位置と耳の位置を決めます。
目の位置の横の中心線には、必ず耳の生え際がつながってます。
輪郭や顔のパーツの描き方と、中心線を使った十字を理解して描けるようになったら「アオリ」や「フカン」を使ったキャラクター絵を描く上でのかなり高レベルなものを描くことも難しくなくなってきます。
「アタリ」に共通した決まりはない
実際描いていくとわかるんですが、「アタリ」の取り方は人それぞれで描き手がどんな絵柄で描いてるのかという点でも、輪郭の「アタリ」の十字線の位置なども変わるので一概にこれ!とは言うものはありません。
キャラクターデザインがリアル調かデフォルメ調かでも全然変わります。
例えば次の画像を見てください。
こちらは有名なアニメキャラを私が見ながら描いてみたんですが、この三作品のキャラだけで三種三様、独特の顔のパーツ配置の輪郭を持っています。
例えば、上で説明した目の横の流れには必ず耳の付け根が存在するという部分が守られていません。
また、普通目は大体顔の真ん中にあるものなんですが、目の位置も通常とは少し違い、下瞼のラインに沿って十字線を描き、そこから耳が生えています。
それでもこのそれぞれのキャラデザを崩さないために「アタリ」は存在しています。
私の絵ではちょっとわかりにくいので、是非実際の公式の絵をみて欲しいのですが、どのアングルでもパーツの大きさや位置などにブレは有りません。
そこをしっかり守るために「アタリ」があるのでしょうね。
要は基本的な顔の輪郭や配置からくる「アタリ」の描き方は存在すれど、それにこだわる必要はないということです。
逆にその描き方だと上手く描けないこともあります。
基礎的な知識を得ることで、自分の絵柄をより上手に描く手がかりとすることが重要です。
体の「アタリ」について
まず、次の画像を見てください。
人の体の理想の頭身は8頭身と言われていますが、実際の日本の人などは6頭身~6.5頭身、よくて7頭身です。
体の「アタリ」の描き方を知るには、まず頭身について覚えることが重要です。
頭身を知ることで、その頭身から伸びる腕や曲がる膝肘の位置、足のバランスや長さも分かってきますし、子どもや大人の体の描き分けに役立ちます。
デフォルメされた可愛らしい2、3頭身のキャラでもちゃんと法則があるのです。
体の「アタリ」や「ラフ」を描けるようになるだけでポーズの作り方が大分広がると思うので筆者としては、覚えるのは大いに役立つと思います。
「アタリ」ってどうやったら描けるようになるんだろ?
まあ別にわかんないうちは無理して描かなくてもいいぞ?
え、でもせっかくこの記事で説明したのに…
とりあえず形だけでも真似して描くってのは正直あんまり意味ないかなって。
アタリの取り方は本当人それぞれだからさ。
好きな作家の絵を見て模写したり、自分の絵を描いてるうちに「体とか顔描くの難しい、なんか自分のは変だ」って気づいてくると思う。
その時に次のステップで「アタリ」の必要性が分かってくると思うから、そのタイミングで勉強したら吸収しやすいと思うんだ。
なるほど!
実際私の「アタリ」の取り方は、上記の説明してきたものを勉強したものの、もっとフワっとした感じです。
体の骨組みよりシルエット重視に描いてるのでラフスケッチに近いですね。
描き慣れた結果こんな感じになりました。(アイキャッチの「アタリ」です)
まとめ
色んな絵描きさんが、丸や十字の「アタリ」を使って絵を描いてるから、と自分も真似して描いてみようと考える人がいますが、「リアル調」「アニメ調」「デフォルメ調」のようにその絵描きさんで「アタリ」のとり方が違ってきます。
草子がいっているように、絵の学校で基礎として学ぶ「デッサン」や「クロッキー」をしてると自然にこの概念を覚えられたりするのですが、そこから初心者さんが絵を覚えるのはきっと楽しくないと思います。
なので、まずは憧れの絵描きさんの絵を参考に模写や自分の絵を描いていき、「顔や体の描き方がなんか変だ!」「バランスがおかしいな?」と感覚的に気づいた時が「アタリ」の必要性が出てきたときです。
そのタイミングがきたときに「アタリ」について勉強すれば、理解と吸収も違ってくると思います。
いかがでしたか?
今回は「アタリ」って一体どういったものか?
その使う方法やその必要性を説明してみました。
実際「アタリ」を使えるようになると、キャラの立体感や構図を表現できるようになってきて、グッと絵の表現力が上がります。
次回は「イラストの基本ワード2「ラフ」を初心者向けにわかりやすく説明」となります。
興味のある方は是非、次回もご覧ください。
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