最近、食品を買おうとすると、「遺伝子組換えでない」という表記をよく見るようになった気がします。
なんとなくイメージはできても、実際の「遺伝子組換え食品」というのは一体どういったものでどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
今回は、これから私たちの食生活に関わってくるであろうテーマについてできるだけ簡単に解説します。
遺伝子組換えでない
最近よく見るよね
遺伝子組換えでない
うん、はてなぎちゃんがちょっと気にいっちゃったのはよくわかった
遺伝子組換え食品
遺伝子組換え食品とは
まず、遺伝子組み換え食品というのはどういうものか見ていきましょう。
遺伝子組換え食品というのは、遺伝子組換え技術を利用して作られた食品のことです。
遺伝子組換え技術というのは、ある生物が持つ遺伝子上の特徴を別の生物に与える技術のことです。
なんか、聞くだけで倫理的な価値観がわからなくなってしまいそうですがこの技術は生物に限らず植物でも可能です。
例えばどういったものがあるかというと、「除草剤に抵抗を持つ大豆」「害虫に抵抗のあるジャガイモやトウモロコシ」など、基本的には育てやすくするために遺伝子組換え技術を利用しているといった感じですね。
日本で販売が可能な遺伝子組換え食品
日本では現在、遺伝子組換えを行ったものでも販売していい作物が下記の8種類となります。
- とうもろこし
- じゃがいも
- 大豆
- 綿
- 菜種
- てんさい
- パパイヤ
- アルファルファ
名前を見るだけでも、普段からよく食べることのある作物が並んでいますよね。
では、ここで質問です。
みなさんは、遺伝子組換えを行った食品を食べたことがありますか?
この質問をすると、おそらくほとんどの方は食べたことないとお答えになるのではないでしょうか。
なぜそう思うか。
それは、「遺伝子組換えでない」という表記は見たことがあっても「遺伝子組換え」と表記された食品って見たことある方はいらっしゃるでしょうか。
仮に見たことがあっても、その商品をわざわざ購入する人は少ないのではないかと思います。
しかし、ここに落とし穴が存在しているのです。
私はみたことないよ、遺伝子組換えってかかれているの
実際は、書かれているものもあるんだけどね
書かれているものに関しては、逆にいえば問題はないんだ
ん?どういうこと?
遺伝子組換え食品を食べたくないと思っている人でも実はもう食べてしまっている可能性があるんだ
えーー
遺伝子組換え食品の落とし穴
日本では遺伝子組換えを行っている商品には、表記をしないといけない義務があります。では、どうして落とし穴があるのでしょうか。
それは、遺伝子組換えを行った作物の加工食品のうち、一部は表記義務がないものがあるからなのです。
例えば、大豆から作られているお醤油、菜種から作られている食用油などは表記義務がありません。
具体的に表記義務を免れる方法を説明すると、加工食品に含まれる原材料のうち含まれている重量が4位以下である、もしくは加工食品の重量のうちの5%未満のどちらかでも満たしていれば表記する必要がなくなるのです。
え、じゃあ書かれていないけど遺伝子組換えをした作物を使っている可能性があるってこと?
うん、そういうことになるね
だから、知らず知らずのうちに食べてしまっているということなんだ
そうなんだ…
でも、遺伝子組換え食品って食べないほうがいいの?
今度は、遺伝子組換え食品のメリットとデメリットについてみていこうか
遺伝子組換え食品のメリット、デメリット
基本的に遺伝子組換えの食品というのは、世間ではいいイメージが持たれていないと思います。
では、イメージのよくない商品をどうして開発しているのかと聞かれるともちろんメリットが存在しているためです。
メリット
まず作品を育てている側のメリットになります。
例えば、害虫に抵抗があるじゃがいもなどは、害虫の対策をとらなくていいためコストが抑えられたり、害虫による収穫量の減少を軽減することができるため大きなメリットとなるでしょう。
次に購入する側にとっても実はメリットは存在します。
コストを削減できることによる購入する際の値段が下がることになります。
また海外では、日本ではまだ販売が認められていない栄養価が高いお米やトマト、アレルギーの原因となるアレルゲンを抑えた作物なども存在しています。
そういった食品は、購入する側にとってもメリットになりますよね。
なんか思ったよりもいいことがいっぱいだね
うん、たしかにこの内容だといいことがたくさんあるように感じるね
じゃあデメリットについてみてみようか
デメリット
最も大きなデメリットは、遺伝子組換え食品を食べ続けた際の人体への悪影響です。
もちろん、遺伝子組換え食品は安全であることを前提に作られています。
しかし、しっかりとした検証がされているわけではありません。
そのため、食べる側からすれば安心して食べることができないというわけです。
また植物の場合、自然界に存在しない強さを持つ作物が作られているわけです(例えば除草剤等に強いなど)。
では、その植物の花粉が雑草等に何らかの理由で受粉してしまった場合、除草剤に強い雑草が生まれてきてしまう可能性があるのです。
自然界のバランスを壊してしまうおそれがあるということですね。
体に悪影響があるのはイヤだなぁ
あるかどうかも証明されているわけではないんだけどね
でも、どちらかわからない以上完全に安全とはいえないってことだね
まとめ
- 遺伝子組換えとは、作物を育てやすくするためや栄養価の高い作物を作るために別の植物の遺伝子を組み込んだりすることで、その作物を使った食品のことを遺伝子組換え食品という
- 日本では8種類の作物が販売可能だが、加工食品は一定の条件を満たしていない限り表記する必要はないため知らずに食べている可能性がある
- コスト削減や栄養価の高い作物を作ることが可能なのはメリット、安全性の問題や、自然界に存在しない遺伝子が散らばってしまう可能性があるのがデメリット
今回は、遺伝子組換え食品について解説しました。
また関連のある「ゲノム編集食品」についても記事を追加しましたので、よろしければそちらもご覧ください。
その他にも、色々な日常の疑問を解説していますので、興味のある方やお時間の許す方はこちらの「ハテナと疑問」へどうぞ。