夏が近づく今日この頃、ついに蚊の季節がやってきました。
以前も蚊に刺されるとかゆくなる理由とその対策というテーマで記事を書きましたが今回は刺される前の対策として、蚊取り線香は効果があるのかという点と、上手な使い方について解説しようと思います。
最近、家の中にもたくさん蚊が入ってきてたくさんかまれるの
森でも家でも蚊で苦労してるんだね
なにかいい対策はないの?つぐまさん
人間界には蚊取り線香っていうアイテムがあるみたいだから効果があるか調べてみようか
ありがとう、つぐまさん
蚊取り線香とは
まずは蚊取り線香がどういったものなのか見ていきましょう。
みなさんもあのぐるぐるの渦巻きを一度はみたことがあると思います。
渦巻きの先に火をつけると煙がでて、その煙に近づいた蚊がポトポト落ちていくというのはCMでも有名ですね。
しかしここでストップ。実はこの表現、効果をわかりやすく説明するために作られているものなのです。
「え?違うの?」という疑問がわきますよね。
実際は、目に見えている煙には殺虫作用は存在していません。
燃える手前で、高温によって揮発する(気体になること)目には見えないピレトリンやピレスロイドと呼ばれる殺虫作用のある化学物質が蚊を退治しているのです。
え?じゃあCMは間違ってるの?
んー、間違っているというよりわかりやすい表現を使っているだけだと思うな
たしかに目に見える煙には効果はないけど、一緒にピレスロイドも気体になってるわけだしね
蚊取り線香の蚊を退治する成分
初期の頃の蚊取り線香には、除虫菊と呼ばれる菊の花に存在するピレトリンという成分が使用されていました。
現在では、化学合成されたらピレスロイドという成分が使用されています。(人体への影響を考えて、天然成分であるピレトリンのみ使われているものも存在します)
そのほかにも、除虫菊を半年間乾燥させて作った粕粉やタブノキと呼ばれる木から作ったタブ粉が使用されています。
ちなみにピレスロイドは蚊の神経を麻痺させる効果があります、神経毒というわけですね。
どんな成分が使われているか、購入する前に成分表を見て確かめてみるのもいいかもしれません。
蚊取り線香の効果と範囲
蚊取り線香を使っている際に、本当に効果があるのかなって疑問に思ったことはありませんか?
結論からいうと、蚊取り線香は効きます。
ピレスロイドを吸った蚊はCMのようにぽとりぽとりと落ちていくことになります。
ただし、そんな効果のある蚊取り線香も効果範囲が存在します。
効かないと感じている人は、蚊取り線香の使い方が間違っている可能性があります。
蚊取り線香は、火をつけて置いた場所から半径2メートル程度の範囲が最も効果を発揮します。
先ほどお話した、ピレスロイドと呼ばれる殺虫成分は高温で揮発し拡散していく作用があります。
その効果が最も現れるのが半径2メートルの範囲であるということです。
ちなみに、それ以上離れると効果が完全になくなるわけではありませんが蚊を退治するほどの効力はなくなってしまい、近寄らせない程度の威力になります。
ということは自分の近くに置いておくほうがいいってこと?
自分がかまれないようにするにはそれが一番いいのかもしれないけどあんまり近いと煙でむせると思うよ
ああっ!喉と目が!
そうなるよね
蚊取り線香の上手な使い方
効果範囲が2メートルであること、ピレスロイドによって蚊を退治していることを踏まえて上手な使い方を考えましょう。
まず、気体になったピレスロイドが遠くに逃げてしまっては意味がありません。
そのため、必ず蚊を退治したい場所の風上に置くようにしましょう。
風下に置いてしまうと、反対方向に成分が逃げて行ってしまいなんの効果もありません。
もちろんその場合遠くにいる蚊たちにとってはきっと地獄だとは思いますが。
次に、複数置く場合を考えましょう。
半径2メートルをカバーできるということは、それぞれを4メートル離して置けば全ての範囲をカバーできるということになります。
そのため、複数の蚊取り線香を使用する場合は4メートル置きに配置しましょう。
蚊取り線香に効果がある生き物
成分にもよりますが、蚊取り線香は蚊以外の生き物にも効果があります。
ムカデやクモ、ハエやハチ、それ以外でも爬虫類にも効くようです。
しかし、退治できるほどの威力はないため近寄らせない程度に思っておいたほうが無難でしょう。
ただ、金魚や熱帯魚にとっても効果のある成分であるため家にアクアリウムがある方は注意が必要です。
逆に、人や犬、猫や鳥のような生き物に対してはほとんど効果がないため安心して使用することができます。
煙で咳込むことはあるかもしれないため、その点はご注意ください。
赤ちゃんも大丈夫なのかな
ピレスロイドは体に入ってもすぐに分解されて体の外に排出される成分らしいから安心だね
そっか、それなら安心
でも、煙を大量に吸うのは危険だから置く場所には気を付けてね
そうなんだ、気を付けよう…
蚊取り線香の豆知識
最後におまけとして、蚊取り線香の豆知識について少しお話します。
蚊取り線香の歴史
蚊取り線香は明治時代に初めて作られました。
初期の蚊取り線香は粉末状で、線香と呼ばれる形ではなかったようです。
その後、線香のような棒状のものが開発されますが持続時間が短い(1本で最長でも40分程度)ということもあり、現在の渦巻き状の形になりました。
ちなみに渦巻き状の蚊取り線香は大きさによって3時間~12時間近くもつものまで存在します。(通常の大きさだとだいたい7時間程度)
蚊取り線香を英語でいうと?
蚊取り線香は英語で何て呼ばれているでしょうか?
正解は、「Mosquito Coil(モスキートコイル)」と呼ばれています。
これだけ見ると、蚊が渦を巻いているようですが揚げ足をとってはいけませんね。
蚊取り線香の消し方は?
蚊取り線香が完全に燃え尽きてしまった場合は気にする必要はないのですが、出かけたりするときに一旦消す必要があるときってありますよね。
そういうときにみなさんはどうしてますか?
消し方も様々あるのですが、一番簡単なのは火がついているところだけ水につければいいのです。
水につけちゃったら、次に火をつけるときにつきにくくなって使えなくなりそうな感じがしますが乾いてしまえば問題なく使えます。
また、酸素の供給をなくす作戦もありです。
ボールペンのキャップを燃えているところにかぶせればすぐ消えますよ。
蚊取り線香ってすごく昔からあるんだね!
少しずつ形が変わって進化していっているのが面白いね
僕も進化しないと
え?つぐまさん、何に進化したいの?
まとめ
- 蚊取り線香にはピレトリンやピレスロイドといった殺虫成分が含まれている
- 蚊取り線香は使い方を間違えなければしっかりと効果がある
- 半径2メートルの範囲が最も効果があり、それ以上離れると近寄らせない程度の威力に落ちる
- 人体には影響がほとんどないが、煙を大量に吸うのはよくないため置く場所には気を付ける
- 英語では「Mosquito Coil(モスキートコイル)」と呼ばれている
今回は蚊取り線香の効果と使い方について解説しました。
こちらも是非ご覧ください。
その他にも、色々な日常の疑問を解説していますので、興味のある方やお時間の許す方はこちらの「ハテナと疑問」へどうぞ。