近年、春頃になると花粉症で苦しんでいる人が増えてます。
頭がぼーっとして仕事や勉強が手につかなかったり、鼻のかみ過ぎで鼻先が痛くなったりしていいことなんて何一つないです。
でも昔はそんなに花粉症で苦しんでる人はいませんでした。
ではどうして花粉症が増えているのでしょうか?
今回は、花粉症が増えている理由と予防と対策について簡単に解説します。
くしゅん、森の中にいると花粉がすごいから鼻がとまらないよ
あれ?ハテナギちゃんも花粉症?
うん、何年か前から春になると大変なんだ
最近花粉症増えてきてるっていうもんね
今日はどうして花粉症が増えてきているのかと対処法がないか調べてみようか
花粉症とは?
花粉症にかかっている人はご存知な方も多いと思いますが、まず最初に、花粉症とはどういうものなのか解説します。
花粉症とはスギやヒノキなどの花粉が原因で起こるアレルギー症状です。
スギ以外にもイネ、ブタクサ等の花粉が原因でも発症します。
特に最近は、スギの花粉が原因で起こる花粉症が増えています。
それぞれ時期は違いますが、樹木は子孫を残すために花粉を空気中に飛ばします。
その花粉が空気と共に鼻から入ってきます。
通常、人間は異物に対して体の外にだしたり、入ってこれないようにするための生体反応が起こります。
それが、くしゃみや鼻水、鼻づまりです。
しかし、その反応が通常よりも多くでてしまうのが花粉症と呼ばれる症状です。
じゃあ、本当はこんなにくしゃみがでたりしないの?
うん、昔から花粉は飛んでいたのに花粉症の人は少なかったんだよ
そうなんだ、今のほうが生きづらい世の中なんだね
なかなかハードな表現だけど、花粉症という意味ではたしかにそうだね
でも花粉症って鼻だけじゃなくて目もかゆいって人がいるけどどういう症状がでるんだろう
花粉症の症状
花粉症の症状で代表的なのは、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」です。
鼻の粘膜に付着した花粉を取り除こうとするアレルギー反応です。
他にもよく起こるのが「目のかゆみ」「目の充血」です。
目には白目の部分に当たる結膜と呼ばれる組織があり、そこは直接空気とふれています。
そこに花粉が付着し、涙によって溶かされ取り込まれていきます。
結膜には、免疫細胞が多く血管もたくさんあるのでそこから炎症が起こり目がかゆくなったり赤くなったりするのです。
また鼻から取り込まれた花粉が体に入り全身にアレルギー反応を起こすこともあり、それが原因で目にも症状がでることもあります。
それ以外にも重症化してくると、「体がだるい」「熱っぽい」「肌あれ」等が起こることもあり、気管支の粘膜が腫れてしまうと「のどの痛み」、場合によっては「呼吸困難」になることもあります。
え、息ができなくなるの?怖い…
みんなに起こる症状ではないけど、そういう危険性もあるってことだね
そんなに怖いものがどうして増えちゃったんだろう…
花粉症が増えたわけ
戦争とスギ花粉
花粉症が増えた理由は様々な意見があります。
その中でも、大きな要因といわれているがスギの増加による花粉の増加です。
昔、日本でも大きな戦争がありました。
その戦争に、たくさんの木材が必要になったことや多くの木造住宅が被害を受けたことにより、戦争が終わり住宅を建て直すためにも木材が必要になったことで大量の樹木が伐採されました。
そして政府の援助もあり、少なくなった樹木を増やすために大量のスギやヒノキ(特にスギ)を植えました。
スギやヒノキは40年ほどで成木になるため、当時に大量に植えられたスギやヒノキが最近になって一斉に花粉を飛ばすようになりました。
しかし、もともとは木材調達のために植えられたスギやヒノキ。
成木したら伐採されるはずなのですが伐採されずどうして花粉を飛ばし続けているのでしょうか?
それには、輸入木材が関係しています。
たしかに以前の日本では、成木になったスギやヒノキは伐採されて利用されていました。しかし、最近は輸入した木材が安く手に入るようになったため、日本のスギやヒノキの伐採は採算があわなくなるようになってしまい、伐採されずに残されるようになってしまっているのです。
え?切らなくなっちゃったの?
うん、木を切りすぎるのもよくないけど、切らなすぎるのもよくないみたいだね
でもスギ花粉が増えている理由はそれだけじゃないんだよ
地球温暖化とスギ花粉
最近は、地球規模で気温があがる「地球温暖化」が起こっています。
異常に暑い夏が最近続いていますよね。
実は、スギにとってはそれがとてもいい成長剤なのです。
夏の気温が高いとスギは成長が早くなります。
そして次の年の春に大量の花粉を飛ばします。
気温が上がっているため開花の時期も早くなります。
そうなると花粉が飛んでいる期間が長くなります。
結果的に1年間の花粉量が増加します。
しかし、実は現在でもスギは植えられています。
花粉が増えるのがわかっているのに!?と思ってしまいますが、10年~40年くらいまでの成長期のスギの木は他の樹木と比べ二酸化炭素の吸収率が高いのです。
二酸化炭素は地球温暖化の原因であるため、二酸化炭素をたくさん吸収してくれる若いスギは必要なんですね。
じゃあ地球温暖化を防ぐためにスギは植えなければいけないけど成木したスギは残されたままになっているってこと?
そういうことだね
でも最近は、できるだけ花粉が少ないタイプの品種のスギを植えるようにしているみたいだよ
そっか、よかった
ただ、花粉症が増えている原因はスギの増加だけじゃないみたいだよ
排気ガスと花粉症
花粉症は車からでる排気ガスも原因の一つとなっていると考えられています。
花粉は、樹木から飛ばされた直後よりも都市部のほうが汚れが付着しています。
そこには、車の排気ガス中にある窒素酸化物と呼ばれる物質も含まれています。
窒素酸化物はアレルギーを起こしやすくするといわれています。
その他にも…
アレルギー全般の話になるのですが、食生活が日本食から欧米食へ変化したことにより動物性タンパク質、動物性脂肪の摂取量が増えたこと。
また身の回りの菌を除去し、きれいにしすぎてしまうことにより病原菌と戦うはずのための免疫が戦う相手が減ってしまったことにより、無害の花粉にまで過剰に反応してしまっている等様々な原因が考えられています。
今の話を聞くと、生活が豊かになるほど花粉症が増えているように感じちゃうね
「豊か=幸せ」とは限らないいい例だね
でも、だからといってこのままはつらいよ
何かよくなる方法はないのかな
じゃあ今度は現時点でわかっている対処法について解説しようか
花粉症の予防と対策
花粉を避ける
花粉症の対策として、花粉をできるだけ避けることです。
「いや、それができれば苦労しないよ」って思いますよね。
というわけでどうやって花粉を避けるかについて順番にみていきましょう。
まず、花粉はお昼前から午後3時頃が一番飛ぶといわれています。
ということはその時間帯はできるだけ外出しないのがいいということですよね。
そうはいっても、その時間だけひきこもるわけにもいきません。
どうしても外出しないといけない場合は、マスク、眼鏡(眼鏡とコンタクトのメリット・デメリットはこちら)、帽子を着用し、できるだけ花粉のつきにくい素材の服を着ましょう。
花粉の付きにくい服というのは、凹凸が少なく羽毛のない生地のものです。
ウール系のセーターは特にキケンですね。
次に、外出した際についてくる花粉を家の中には持ち込まないようにしましょう。
まず玄関先で花粉を払い落します。
そして、すぐに手洗いうがいをしましょう。
顔や目を洗うのも効果的です。
洗濯物はできるだけ外には干さないようにしましょう。
どうしても外で干したい場合は、取り込む際にしっかりと払い落としましょう。
そのまま取り込むと室内に花粉が増えることになります。
家にいるときでも花粉との闘いは続きます。晴れている日や、風が強い日は花粉がよく飛びます。そのため、できるだけ窓は開けないようにしましょう。
中に入ってしまった花粉は空気清浄機も効果的です。
こまめに掃除をすることも大事です。
その際は花粉が舞い上がらないように掃除機をかけ、その後濡れ雑巾でふきましょう。
やることがいっぱいだー
このくらいしないと、花粉は避けられないってことだね
生活面の改善
生活面の改善も効果があります。
例えば、たばこやアルコールは鼻やのどの粘膜を痛めるため、症状が悪化してしまいます。
そのため、花粉症の時期は控えるのがいいでしょう。
また、ストレスが原因で花粉症に限らずアレルギー症状が悪化することがあります。
簡単なことではないですが、日々の生活のストレスを少しでも発散できれば和らげることができるかもしれません。
睡眠不足や食事の偏り(動物性蛋白や動物性脂肪の過剰摂取)もアレルギー症状の悪化につながります。
青魚には少し難しい言葉ですが「n-3系多価不飽和脂肪酸」と呼ばれる物質が多く含まれています。
アレルギー反応を抑制する働きがあるといわれているのでそちらを摂取するのもいいですね。
薬を飲む
色々な方法で対処をしても対処しきれない場合は、抗アレルギー内服薬を飲みましょう。効果が安定するまでに時間がかかるため(2週間程度)、花粉が飛び始める時期を意識し、早めに飲み始めておきましょう。
点鼻薬は即効性という面では内服薬に劣りますが、副作用が少ないため長期間の使用が可能です。また点眼薬にも抗アレルギー成分を使用したものが増えてきていますのでそちらを使用するのも手ですね。
今できる対処法はこういったものだよ
全部するのは大変そうだけど、花粉症のつらさを考えたら頑張らないといけないね
無花粉のスギも開発されたそうだから
そういうスギが植えられて数が増えていくことに期待だね
まとめ
- 花粉症とは、体が花粉を異物として認識し過剰に反応してしまうアレルギー症状のことである
- 戦争後のスギやヒノキの大量の植林、車の排気ガスの増加、食生活の欧米化、除菌のしすぎ等様々な理由が重なり花粉症が増加している
- できるだけ花粉を避け、室内に持ち込まず、生活面の改善を改善することが対策となる
- 対処しきれない場合は薬を使う
今回は花粉症が増加しているわけとその対策について調べてみました。
その他にも、色々な日常の疑問を解説していますので、興味のある方やお時間の許す方はこちらの「ハテナと疑問」へどうぞ。