誰でもわかる!モース硬度とは? 簡単解説

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水晶

世の中には色んな尺度が存在します。みなさんは「モース硬度」という尺度を聞いたことがありますか?

硬度という名前がついているところから何かの硬さというのは想像できるとは思いますが、今回は「モース硬度」について簡単に解説してみようと思います。

はてなぎ
はてなぎ

モース硬度…

つぐま
つぐま

はてなぎちゃんは聞いたことないかな

はてなぎ
はてなぎ

うん、初めて聞いたよ

つぐま
つぐま

じゃあ今日はモース硬度についてみていこうか

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モース硬度とは

ダイアモンド

モース硬度とは、鉱物に対してひっかいた際の傷のつきにくさを表す硬度のことです。

簡単にいうと、硬さの順に10~1の整数が与えられた鉱物があり、その鉱物でひっかいたときに傷がつくかどうかで、その他の物質のモース硬度は決まります。

例えば、硬度のわからないある鉱物「A」を、7の硬度の「石英」でひっかいたときはこう考えます。

  • 「石英」に傷がつき、鉱物「A」にも傷がついた→どちらも硬度7
  • 「石英」には傷がつかず、鉱物「A」に傷がついた→鉱物「A」のほうが柔らかいため一つ柔らかい硬度6の「正長石」でひっかく→「正長石」に傷がついた(逆の場合は更に柔らかい鉱物でひっかく)→鉱物「A」は硬度6.5(石英と正長石の間)
  • 「石英」に傷がつき、鉱物「A」には傷がつかなかった→鉱物「A」のほうが硬いためより硬い「トパーズ」でひっかく→「トパーズ」に傷はつかなかった(逆の場合更に硬い鉱物でひっかく)→鉱物「A」は硬度7.5(トパーズと石英の間)

このように、基準となる鉱物でひっかいたときにどちらに傷がつくかで、その鉱物の硬度を判断しているものが「モース硬度」と呼ばれます。

ちなみに「モース硬度」のモースというのは、この尺度を考案したドイツの鉱物学者であるフリードリッヒ・モースさんからとられています。

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標準物質

「モース硬度」の基準となる鉱物のことを標準物質と呼びます。初期のモース硬度は下記の10種類の鉱物で測られていました。(頭の数字が硬度)

  1. 「滑石(かっせき)」… 最も柔らかい鉱物の一つで人の爪ですら傷をつけることができます。ちなみに爪の硬度は2.5です。
  2. 「石膏(せっこう)」… 豆腐の凝固剤にも使われている鉱物、こちらも爪で傷つけることができますが「滑石」ほど簡単にはつきません。
  3. 「方解石(ほうかいせき)」… わかりやすい言い方をすると大理石です。硬貨で強くこすると傷がつく程度の硬さです。
  4. 「蛍石(ほたるいし)」… 望遠鏡や写真のレンズの高性能化のために使われる鉱石です。ナイフで簡単に傷がつく程度の硬さです。
  5. 「燐灰石(りんかいせき)」… ナイフで強めにひっかくと傷がつく硬さです。
  6. 「正長石(せいちょうせき)」… ナイフでは傷をつけることができない硬さです。ここまでくるとかなり硬く感じますね。
  7. 「石英(せきえい)」… 石英のうちの無色透明なものを水晶と呼びます。モース硬度が7もある石英ですが、砂埃などにも含まれているため、これよりもモース硬度が低いものは砂埃でも傷ついてしまいます。鋼鉄にも傷をつけることができる硬さです。
  8. 「トパーズ」… 日本では黄玉といわれる宝石です。石英に傷をつけることができます。
  9. 「コランダム」… 鋼の玉と書いて鋼玉(こうぎょく)とも呼ばれます。もともとは無色透明ですが、不純物が入ることで色がつきます。それらが私たちがよく知る「ルビー」や「サファイア」です。
  10. 「ダイヤモンド」… 金剛石と呼ばれる、地球上の自然鉱物で最高硬度の鉱物です。

未知の物質や、鉱物が見つかったときにモース硬度を調べる際はこの鉱物たちが使われていました。しかし、現在ではモース硬度はさらに細かく15段階に分かれています。こちらを「修正モース硬度」と呼びます。

1から順に「1.滑石」「2.石膏」「3.方解石」「4.蛍石」「5.燐灰石」「6.正長石」「7.溶融石英」「8.石英」「9.トパーズ」「10.柘榴石」「11.溶融ジルコニア」「12.溶融アルミナ」「13.炭化ケイ素」「14.炭化ホウ素」「15.ダイヤモンド」の順番です。15段階にわかれても、結局のところ一番柔らかいのは「滑石」で一番硬いのは「ダイヤモンド」です。

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身近なもののモース硬度

もちろん身近なものにもモース硬度はあります。この項目では身近なもののモース硬度についてみていきたいと思います。(※10段階のほうのモース硬度になりますのでご注意ください。)

例えば「滑石」や「石膏」の項目で登場した人間の爪は、「石膏」には傷をつけることができるためモース硬度は2.5です。

またガラスは結構硬いイメージがありますが、モース硬度は5です。ナイフは「正長石」を傷つけることができないので5.5になります。

人間の体で最も硬いといわれている歯はなんとモース硬度が7もあります。理屈だけで見ればナイフでは歯を傷つけることができないということになりますね。

そして少し変わったところで日本人が大好き「カツオブシ」。世界で一番硬い食材といわれているのですが、なんとモース硬度は歯と同じ7です。驚きですよね。

はてなぎ
はてなぎ

カツオブシってそんなに硬いんだ

つぐま
つぐま

食べ物なのに、水晶くらい硬いってすごいよね

ちなみにモース硬度というのはひっかいた際に傷がつくかどうか、という点のみで判断しています。そのため、「ダイヤモンドは世界一硬いんだからどんなことがあっても壊れないよね」、というのは間違いです。

たとえダイヤモンドでも、ハンマー等で一定方向から叩いたりすると簡単に壊れたりします(衝撃に弱い部分があります)。けっして硬さを表現するパフォーマンスでダイヤモンドをハンマーで叩くなんてことはしないでくださいね。悲しい結果が待っているかもしれません。

ちなみにこういったものもあります。

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まとめ

  • 「モース硬度」とは、「標準物質」と呼ばれる10段階に分けられた鉱物にひっかいて傷をつけることができるかどうかで判断される硬度のことである
  • 世界で一番「モース硬度」が高い物質は「ダイヤモンド」最も柔らかい物質は「滑石」である
  • 「モース硬度」はひっかきに対しての硬度であるため、最高硬度の「ダイヤモンド」でもハンマーで叩けば簡単に割れることがある

今回は「モース硬度」について調べてみました。あまり聞きなれない言葉だったので、少しでも興味を持ってもらえたなら幸いです。

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