アナログ漫画を描く時に、おすすめの道具を知りたいと思ったことはありませんか?
また、今まで使ったことのない道具を試しに使ってみたいけれど使い方や使い勝手がわからないため躊躇したりしていませんか?
この記事では、アナログ漫画を描く際に最低限必要な道具の使い方から、もっていれば便利なもの、さらには初心者のうちはわざわざ購入する必要のないものまで解説しています。
次のようなお悩みの持つ方は、是非ご覧ください。
- 初めてアナログ漫画を描く際に、必要な道具ってなんだろう。
- どんな道具が必要かはある程度知っているけれど使い方を知りたい。
- 基本的な道具はそろっているけれど他に便利な道具はあるのかな。
- たくさん道具があるんだけど全部揃えないといけないの?
特に初めて漫画を描こうと思っている人の参考になればと思います。
アナログ漫画を描く時に最低限必要な道具7点 と使い方
初めてアナログ漫画を描く時に、最低限必要な道具はこちらです。
- シャーペンと消しゴム
- ペン先、ペン軸
- インク
- 漫画用の原稿用紙
- 直線定規(40cm~45cm)
- ミリペン、耐水性のペン
- 修正液
これさえあれば、とりあえずアナログ漫画を描くことができます。
順番に筆者が使っている道具の写真を添えて説明します。
シャーペンと消しゴム
芯の硬さは基本的にはBがおすすめです。
HBは硬すぎて、原稿に線(描き後)が残りやすく下書きの線が消えにくいです。
2Bは、消しゴムかけをしても黒い跡がついたりして原稿を汚しやすいです。(筆者は書き味を優先して2Bを使っていますが)
間をとった結果がほどほどに柔らかく、濃すぎないBとなります。
ちなみに、鉛筆でも問題ありません。
筆者もシャーペンと鉛筆を併用しています。
消しゴムについては、人によってかなり好みがわかれるものです。
とはいえ、ちぎれやすいものや消えにくいものはやめましょう。
シャーペンやシャー芯にも同様に好みがあります。
そのためシャーペンや芯、消しゴムは色々試してみるのもいいと思います。
実際筆者も運命の消しゴムと出会うまでかなりの消しゴムを試しました。
一応筆者にとってのお勧めのシャーペンの芯と消しゴムを載せておきます。
使ってみて合わないなと感じたら、自分にあったものを探してみてもらえたらと思います。
ペン先、ペン軸
漫画家の代表的道具でありながら、使い方が難しく種類も多いつけペン。
その中でも初心者はまずGペン(主軸用)と丸ペン(細い線用)を買いましょう。
さらに種類だけでなく、つけペンを取り扱っている主要なブランドは3社ありますが、それぞれで描き味が全然違います。
本当にシンプルに説明するとこのような違いです。
- ゼブラ:一番メジャー、漫画っぽい線が描ける、少年漫画系の線のメリハリが欲しい人が使っている印象
- 日光:硬い、線の強弱をあまりつけたくない人向け、少女漫画などに多い印象
- タチカワ:3社の中で1番柔らかい、線にメリハリをつけやすいが制御が必要、相性次第、個性的な線が引きやすいかも
ちなみに筆者が使っているのは、現在は日光です。
以前はゼブラを使っていましたが、ペン軸を変えたために描き味も変わったので現在も模索中だったりします。
ペン軸にも太い細い、長い短い、軽い重い、グリップ付などがあります。
これも相性があるので、お店で実際に握ってみるのがおすすめです。
その上で、そのペン軸にあったペン先を探すことになります。
ペン先も3本セットと10本セットがあるので、3本セットを何種類か試してみて自分に合うものを探しましょう。
10本セットは相性が合わなかったときに泣きます。
インク
つけペンにつけるためのインクです。
上記にもれず、多種多様なインクが存在していますが、初心者はこれを買いましょう。
なぜなら、乾きが早く描き味も滑らかです。
プロも多く使っているインクです。
ちなみに安いからといって100均の墨汁を使うなんてことは考えないほうがいいです。
ペン先が悪くなりやすく、なにより使いにくいです。
インクは消耗品で一度開けるとすぐに劣化してしまいます。
しかし、インクに関しては多少高くてもいいものを購入したほうが使いやすいです。
あれ、おすすめのインクと写真のインクが違うよ?
色々理由はあるが1ついえることは容器が好きじゃないってそれだけ
漫画用の原稿用紙
原稿用紙も様々な種類がありますが、これを使えばokです。
アイシー原稿は紙の質が非常にいいため描きやすいです。
インクと同様、原稿用紙の質は描きやすさに直結するためできるだけいいものを使いましょう。
直線定規
原稿用に使う定規でおすすめなのは40~45cmのものです。
30cmだと原稿用紙よりも短くなるため使いにくく、50cmを超えると長すぎて持て余してしまうため40~45cmのものを選びましょう。
片方にインクエッジ(斜面)がついているものを選びましょう。
普通はついているのですが、製図用の定規の場合ついていないものもあるため要注意です。
インクエッジ(斜面)が必要な理由は、ペン入れをする際に定規をさかさまにして使うことでインクによる事故を防ぐことができるためです。
さらに個人的には、透明でマスがついているタイプがおすすめです。
使ってみればわかると思いますが原稿用紙をみながら引けること、細かく尺を図りながら使えるためです。
おまけとして、アナログでトーンを使用する予定の方はステンレスのついたものを選びましょう。
トーンにカッターで直線を入れたいときに重宝します。
ミリペン、耐水性のペン
主にコマ割りの枠線を引く時に使います。
プロの人によっては、つけペンを使わずミリペンだけで原稿を描いてしまう方もいます。
ミリペンはペンのサイズの種類も多くそれによって使い方は様々ですが、コマ割りの枠線用に使うなら0.8mmを購入しましょう。
他にも描き込みなどで使うため、ペンの太さは様々なものを持っていてもいいかもしれませんがとりあえず全部揃えるわけではなく、使いそうな2,3本を試してみて欲しいサイズを決めていきましょう。
ミリペンもメーカーの種類が多く、お店で悩むことがあるかもしれませんが悩む場合は次のどちらかを使用してみてください。
耐水性ペンは筆者は水性顔料インクのPROCKEYをおすすめします。
用途はベタ塗が主で、重ね塗りしても裏うつりすることがなく長持ちし何より安いです。
修正液
ペン入れのミスや、原稿の汚れなどを修正するために使う道具です。
これに関しては市販の修正ペンで十分です。
あえていうなら、太さ細さの好みがあると思うで用途によって購入してもらえばいいと思います。
必須ではないがアナログ漫画を描く際にあると助かる道具
- トレース台
- 水色のシャー芯
- トーン、トーン用カッター
- 短い定規
- 羽ぼうき
これらの道具はなくても漫画を描けますが、持っていると便利なものなので紹介します。
こちらも筆者の使っている道具を写真を添えて説明します。
トレース台
基本的には複写をするための道具です、しかしアナログの絵を描くなら使い勝手がよく色々なことに使えます。
下から光をあてることで、原稿を透かすことができます。
漫画の場合は、別の用紙に下書きを先に描き、トレース台を使い原稿用紙に透かすことで直接ペン入れをしたりします。
裏返して光を当てることでデッサンの狂いを確認するためにも使えます。
また、左向きの顔しか描けない人は描いた絵をトレース台を使うことで反転させ、右向きの絵を描くこともできます。
デジタルでは普通にある機能ですが、アナログの場合はこういった方法で反転させています。
必須じゃない理由は、デジタルが主流になっていることや大きいため場所をとってしまうためです。
↓は今のトレース台が壊れたら購入を考えているものです。
水色のシャー芯
水色は印刷する際に線が読み取られにくい色のため、消しゴムかけをしない前提の下書きを描くことができました。(最近は印刷の性能があがってきているため、そうともいいきれませんが・・・)
基本的に消しゴムかけを必要としないため、原稿用紙に修正するポイントを書いたり、直接メモ書きを残すときなどに使ったりもできます。
メリットは消しゴムで簡単に消えることや、印刷にうつらないことです。
ただし、普通の黒の芯と比べてコストが高いためそれでも便利と思う人にとってはいい道具ではあります。
アナログ派の人が多く使っていた道具であるため、デジタル化が進んでいることで少しずつ使っている人は減ってきています。
トーン、トーン用のカッター
正式名称はスクリーントーンといいます。
統一された模様のあるフィルムで原稿用紙の必要な部分に貼り付けたりします。
漫画を読んだことあるなら、誰もがみたことあると思います。
そのトーンをカットしたり削って加工したりするための道具がトーン用のカッターです。
専用のトーンカッターもありますが、普通のカッターナイフで十分です。
トーンもコストが非常に高い道具です。
安いものもありますが、使うのであればある程度品質のいいものを使うほうがいいため値段が高くなってしまいます。
トーンがなくても描き込みで対応したり、最近はデジタルでトーン処理をすることが主流になってきているため必須道具ではなくなりました。
短い定規
これは単純に長い定規だけでは対応しにくいこともあるためあれば便利な道具としてあげました。
おそらくみなさん1本くらいは持っていると思いますので家にあるものを使えばいいと思います。
ただし、可能であれば透明でマス目のついているものが理想です。
羽ぼうき
消しゴムかけをした後の消しカスを集めたり払ったりするための道具です。
手で払えばいいといえばいいのですが、筆者が鉛筆絵描きを主流にしているため消しカス掃除をする際に非常に助けられているため(机の上の掃除にも使える)便利な道具としてあげさせてもらいました。
こちらも少し値段が高く、悪くなるのも早いため好みかなと思います。
鉛筆メインで描いている方で消すカス多いな私、と思う方は一度使ってみてはいかかでしょうか?
初心者にとってはむしろ必要のない道具
- 雲形定規、円定規
- ホワイト
- デザインナイフ(専用のトーンカッター)
これらの道具は漫画の代名詞のようにいわれている道具達ですが、実際のところ初心者にとっては使いこなせる道具ではなくプロの方でも使っていない人は使っていない玄人向けの道具です。
使ってはダメというわけではありませんが、ある程度熟練度をあげてから使う道具なのですぐに買いそろえる必要は全くありません。
一応簡単な説明をいれておきます。
雲形定規、円定規
専門学校の頃に筆者は購入させられました(道具セットについていました)。
専門の授業で練習として使うことはありましたが、自分の作品の中で使ったことは一度もありませんでした。
曲線や円を描くためのテンプレートとして用意されている道具ですが、とにかく初心者にはただただ使いにくいです。
使えるようになるために技術が必要なため、そこに時間をかけるくらいならフリーハンドでいいので曲線や円の練習をしましょう。
というかそちらのほうが早いです。
ペン入れで自分の思い通りの線が引けるようになったなと感じる段階に入ったときに購入を検討してもいいと思います。
中、上級者向けの道具になります。
今までもこれからも使える気はしない道具トップだぜ
それって草子さんが初心者ってこと?
そういうことだよ
自分が上級者になったなんて思ったことは一度もないしね
ホワイト
使ってみて思いましたが、修正液や修正ペンで十分です。
プロの方でも実はだいたいそうです。
値段が高い上に管理が大変で、すぐに劣化してしまうためコストパフォーマンスが非常に悪いです。
高い頻度で漫画を描いているような人なら試しに一度使ってみてもいいかもしれません。
たくさん漫画を描いている人であれば、きっと一度は使ったことあると思いますが。
デザインナイフ(専用のトーンカッター)
かっこいいですよね、デザインナイフ。
カッターと一緒に買ってしまうことがあるかもしれませんが、はっきりいって必要ありません。
カッターのほうが使いやすくコストパフォーマンスがいいです。
これもトーンを使いこなし、削るトーンの質感にこだわりを持ちたい人が使う玄人向けの道具という感覚です。
まとめ
アナログ漫画用の道具について説明しました。
デジタル時代の昨今、必要のない話かなと思いながらもアナログ漫画を描いてみたい人や、アナログ漫画が好きな人に向けて応援も込めてまとめてみました。
アナログ原稿のよさを拡げましょう。
- アナログ漫画を描く際の道具で「シャーペンと消しゴム」「ペン先、ペン軸」「インク」「漫画用の原稿用紙」「直線定規(40~45cm)」「ミリペン、耐水性のペン」「修正液」は基本的に必要なので揃えよう
- 余裕があるなら「トレース台」や「水色のシャー芯」「トーン、トーン用のカッター」「短い定規」「羽ぼうき」も使ってみてもいいかも
- 「雲形定規、円定規」「ホワイト」「デザインナイフ(専用のトーンカッター)」は初心者は購入する必要なし
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