今回は猫の模様の秘密のページで紹介しきれなかった猫の「カラー遺伝子」について少し詳しく説明します。かなり複雑は話ですが、できるだけ簡単に説明しようと思います。
猫のカラー遺伝子の種類
猫のカラー遺伝子はA,B,C,D,I,O,T,S,W の9種類あります。この9種類の遺伝子にも優性と劣性(優性の遺伝子のほうが優先される)の2種類があり、さらに特殊な型もあるため全部で20種類以上の型の派生があります。これだけでも頭がこんがらがりますね。簡単に9種類のカラー遺伝子の要素を説明します。
Aの遺伝子
ソリッド因子と呼ばれ、一本の毛がしま柄か、柄なしかを決める遺伝子です。
Bの遺伝子
ブラックの毛色を決める因子です。ベースとなる毛色が黒になる遺伝子です。
Cの遺伝子
フルカラーの因子です。色をどこにつけるか、濃さはどのくらいかを決めています。
Dの遺伝子
ダイリュート因子といわれ、もとの色を薄くします。
Iの遺伝子
シルバー因子です。毛の根元を薄くします。
Oの遺伝子
オレンジ因子で、黒を赤に変えます。黒と赤の毛を同時に持つためには二つのオレンジ因子が必要なのですが、 この因子はX染色体上にあり、Y染色体上にはないためX染色体を1つしか持たないオスは黒と赤の毛を同時に持つことができません。三毛猫、サビ猫が基本的にメスしかいないのはこのためです。
Tの遺伝子
タビー因子と呼ばれ、しま柄の形を決める因子です。
Sの遺伝子
白斑の因子であるパイボールド因子です。足先やおなかが白くなります。
Wの遺伝子
最強のカラー因子といわれる、全身が白になるかを決める因子です。他の8種類の因子がどういう形であれ、Wの因子が一つでもあれば白猫になります。
どうして親と違う毛色や模様の子猫が生まれるか
上記の9種類の遺伝子が混ざり混ざって、猫の模様は決まります。色んな種類の模様の猫がいるのはこのためです。
それぞれの因子には大文字で表す優性、小文字で表す劣性があり、例えば同じ優性の「A」の遺伝子であっても「AA」,「Aa」の2種類のパターンがあります(劣性は「aa」の1種類のみ)。「AA」や「Aa」のように優性の遺伝子情報を一つでも持つ猫は、劣性の情報は体には発現されません。しかし、両親が共に「Aa」の遺伝子をもっており子猫が生まれると、父猫から一つ、母猫から一つ因子をもらうため、両方から劣性のaが選ばれた場合、劣性である「aa」の情報が発現されます。そのため、親とは全然違う毛色や模様が生まれる可能性があるのです。
それぞれの因子の優性、劣性まで説明していくとあまりに複雑なため今回は割愛させていただきます。詳しく知りたいという方がいらっしゃったらコメントかツイッターのほうにお願いします。追記するかもしれません。
- カラー遺伝子は9種類あり、その組み合わせで猫の毛色、模様は決まる
- 優性、劣性の関係性により、親と違う毛色、模様の子猫が生まれる
今回は番外編ということで、少し複雑な猫のカラー遺伝子について調べてみました。
もう少し詳しく知りたいとか、他の動物のこんなことを調べて欲しい!みたいなものがあればTwitterでご連絡ください。順番に調べていこうと思います。