漫画にはアナログ漫画とデジタル漫画があります。
この記事では、アナログ漫画を描いてみたいという方に向けて手順や道具について解説しています。
次のような悩みのある方は是非、この記事をご一読ください。
- アナログ漫画を描いてみたいけど、初めてでどこから手をつけたらいいかわからない
- アナログ漫画を描く時にとりあえず最初に必要な道具を知りたい
- デジタル漫画との違いを知りたい
筆者もアナログで漫画や絵を描くことが多いです。
アナログ漫画を描く際の流れと道具について知ることで、アナログ漫画を楽しみましょう。
アナログ漫画の描く手順
当人の描きたいものにもよりますが、このページでは原稿用紙1枚に漫画を描くという形で手順を説明します。
読み切り漫画の描く手順を知りたい方は下記の記事を先にご覧ください。
ざっと順番を書くと次のような手順になります。
各項目で細かく解説します。
- 下書き(描きたいものを決める)
- ペン入れ
- 消しゴムかけ
- ベタ入れ
- トーン貼り
- ホワイト修正
下書き(描きたいものを決める)
漫画を描き始めるときに、いきなり原稿用紙から描き始めるわけではありません。
デジタルの場合それも可能ですが、アナログの場合は紙に直接描くので線を入れると元には戻せません。
そのリスクを回避するために、まずは別の用紙に描きたい漫画の内容を下書きの下書きとして簡単に描くことをおすすめします(コマ割りやセリフの構成など)。
←下書きの下書き
他の記事の使いまわしになりますが、自分がわかる程度のラフで十分です。(ちなみにこれは2ページ構成です)
このように内容が決まれば、原稿用紙に下書きを描いていきます。
上のほうで決めた内容に合わせて、コマ割りやふきだし、キャラクター、背景を鉛筆やシャーペンで描いていきましょう。
最終的に下書きは消しゴムかけをするので、原稿が折れたりよれたり汚れたりしない程度の筆圧で描くようにしたほうが身のためです。あとで泣きます。
人によっては消しゴムかけを回避するために青いシャーペンで下書きをしたり、原稿用紙と同じコピー用紙に下書きを描き切ってトレース台を使って直接原稿用紙にペン入れをする方法などもあります。
ペン入れ
下書きが終わったら、ペン入れを始めます。
ペン入れの手順としては、「ふきだし」から描くことをおすすめします。
ペン入れあるあるなのですが、ペン入れに集中しているときに下書きの線を追いかけすぎて本来「ふきだし」があって描いてはいけないところまでペン入れしてしまうミスがあるためです。
文章だけで見てる「ねーよ」と思うかもしれないけど
本当にあるあるなんだよ
へー
ワクセンまで飛び越えて描いちゃったって悲鳴あげてたときあったよね、くーちゃん
なんでここにいるんだよ
えー、たまにはいいじゃん
ペン入れに使う道具も様々で、プロの間でもつけペン派とミリペン派がいます。
さらにつけペンには色んなペン軸があって人によって好みがわかれます。
細かい話は下の道具の項目でもう少し詳しく説明します。
消しゴムかけ
ペン入れが全て完了すると次は消しゴムかけです。
下書きに使った鉛筆の線などをキレイに消していきます。
その際、原稿用紙とおさえる手の間に別の紙をはさんでおさえるようにしたほうがいいかもしれません。
手油等で原稿用紙が汚れてしまうことがあるためです。(油系統は消しゴムかけでは消えません)
ベタ入れ
ベタ入れとは、マジックや筆ペンなどで黒い部分を黒く塗りつぶすことです。
人によっては消しゴムかけと前後する場合があります。
下書きの上にベタを塗ればその部分は消しゴムかけをする必要がなくなるためです。
しかし、ベタ入れした後に消しゴムかけをしたとき勢いでベタの部分もかけてしまい悲惨なことになってしまうこともあります。泣きます。
トーン貼り
正式名称はスクリーントーンといいます。
トーン貼りとは統一された模様のあるフィルムを原稿用紙の必要な部分に貼り付け、トーンカッターなどでカッティングしたり削ったりする作業のことです。
漫画を読んだことがある人は、見たことがあると思いますがモノクロ原稿の影、髪や服の柄の模様の表現として使われています。
この作業は、かなりの技術が必要で経験値やスキルが重要になってきます。
単純な技術として難易度の高い作業になっています。
ミスをしたときの修正が効かないのがその大きな理由です。
後程でも説明しますが、デジタルの大きなメリットといってもいい部分がこのトーン貼りの工程でしょう。
ホワイト修正液を使う
ホワイト修正液を使ってペン入れなどで間違えたところや原稿のよごれを修正したり、白抜きをすることによって漫画の効果を演出したりする作業です。
この作業は仕上げになりますが、演出効果のために途中の作業でホワイトをさしたりするため前後することはあります。
漫画1ページでこれだけの作業をやってるんだぞ!
誰に怒ってるの?
読み飛ばされていく漫画雑誌の1ページにどれだけの工程がはさまっているのか書き手目線で叫んでみただけだよ
初めてアナログ漫画を描く際に必要な道具
上の項目でもいくつか説明しましたが、改めて原稿作業で必要なものをざっとここで記載します。
道具に関して詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
漫画を描く上で絶対に必要なもの
ぶっちゃけて言うとアナログ漫画は、ペンと紙さえあれば描くことができます。
ここでは漫画の原稿用紙に描くという前提で必要なものをあげています。
- 原稿用紙
- 下書き用の鉛筆やシャーペン
- 消しゴム
- ペン入れをする道具(つけペンやミリペン)
- 直線定規
- ベタ入れをするためのマジックや筆ペン
- 修正液
後々必要になってくるもの
こちらは初心者の段階では絶対必要というわけではありませんが、本格的に漫画を描いていく上ではなくてはならないサブアイテムとなります。
- トレース台
- トーン
- トーン用のカッター
- 水色芯のシャーペン
デジタル漫画とはどう違うのか
ここまで、アナログ漫画の描き方を説明してきました。
そこで、疑問として出てくるのがデジタルとの違いだと思います。
この項目では少しだけ、アナログとデジタルの違いについて説明します。
アナログ漫画とデジタル漫画の違い
アナログ漫画とデジタル漫画の違いの一つは出力先の違いです。
アナログ漫画は、作者の手でダイレクトに紙に描きます。
デジタル漫画は、PCやタブレットといった端末の中に描き込みます。
この違いは、個性の出しやすさにも大きく影響します。
アナログは、紙に描き出すためやり直しは効かない分、1回限りでしか出せない線や画風を表現することができます。
それが作品の味として表現されます、これがその人にしか出せない個性となります。
一方デジタルは、修正ややり直しが簡単にできることや、アナログ作業では時間のかかる作業を省略することができる機能も充実しているため効率という意味では軍配があがります。
どちらも、いい面と悪い面が存在するためまとめます。
お互いのメリットとデメリット
アナログのメリットデメリット
メリット
- 道具を集めやすい(安価)
- 紙とペンさえあれば描ける場所を選ばない
- その作者にしか出せない個性が出やすい
- 実際の作品として手元に置くことができる(1点ものなため複製されない)
デメリット
- 描き直しが効きにくい
- 作業が省略できない
- 作品や道具が増えてくると保管場所の確保が必要になる
- 道具が消耗品であるため、管理が必要
デジタルのメリットデメリット
メリット
- 描き直しや修正ができる
- 消しゴムかけがない
- 作業の効率化が可能(トーン貼り等)
- 複製可能なためWeb上で使用しやすい
- 道具を購入してしまえば、手軽かつ何度も使用できる
デメリット
- 機能が多すぎてデジタル機器に慣れるのに時間がかかる場合がある
- 個性を出すためには、機能を駆使する必要がある
- 複製が手軽なため、Web上に公開すると無断転載や無断使用のリスクがある
- 初期投資にお金がかかる
このように、アナログ、デジタルともに一長一短です。
今の時代はネット社会のためデジタルに軍配があがりやすいですが、1点ものや個性を出すという点はアナログにしかない良さだと思います。
アナログ絵描きから言わせてもらうとデジタルとの違いは距離感だと思う
距離感?
自分の手からダイレクトに出てくる絵の描き味って部分ではデジタルはアナログにはまだ勝ててない、きっと
デジタルの進化も最近すごいけどね
実際私も使ってるし
どっちも使えたらいいってことかな
結局相性だと思うわ
まとめ
筆者は線画まではアナログで描き、スキャナーで読み込んでそれ以降はデジタルで作業しています。
なぜなら、味のあるタッチを表現しようとするとアナログに軍配があがってしまうためです。
しかしトーンやベタ、修正はアナログでやるよりデジタルでやるほうが圧倒的に作業が楽になるため、デジタルにも多いに助けられています。
本人のスタイルに合わせた使い方をできるようになるのが理想だといえるでしょう。
- アナログ漫画は、下書き→ペン入れ→消しゴムかけ→ベタ入れ→トーン貼り→ホワイト修正液を使う手順で描く(順序が変わることもある)
- アナログ漫画はペンと紙さえあれば描ける
- 逆にデジタルは、大きな初期投資と慣れが必要だが描く作業を多く省略して絵を仕上げることができる
- 昨今、時短効果のあるデジタルが人気だがアナログには1点ものを作り出せるよさがある
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