フェーン現象とは、どうして気温があがるの?-誰でもわかる!簡単解説-

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温度計

2019年、和暦が令和に代わった5月、北海道でありえない気温になりました。

その中でも佐呂間という場所でなんと39.5℃という北海道の史上最高気温が計測されました。
1年を通しての最高気温が5月に計測されるというのは異常な感じがしますよね。

しかしこの記録、実は北海道だけのものではないのです。
過去、5月の最高気温は1993年に埼玉県の秩父で計測された37.2℃です。

5月の気温の記録とはいえ、普段は涼しい北海道でなぜこのような高温になってしまったのでしょうか。

ちなみに、北海道全域が暑かったわけではなく南のほうに位置する襟裳岬という場所では同じ日に14.3℃という涼しいというよりは寒いといってもいい気温が計測されています。

では、どうしてこれだけの気温差が同じ北海道で発生したのでしょうか?

はてなぎ
はてなぎ

5月なのに暑かったねー

つぐま
つぐま

うん、今年の5月は異常ともいえる暑さだったね

はてなぎ
はてなぎ

でも日本では一番北側にある北海道が一番暑いって不思議だね

つぐま
つぐま

その原因の一つにフェーン現象という現象があるんだよ

今までの高い気温の記録の影にはいつもフェーン現象がひかえてるんだよ

はてなぎ
はてなぎ

へー、でもフェーン現象って何?

つぐま
つぐま

じゃあ今回はフェーン現象についてみていこうか

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フェーン現象

風とすすき

つぐまの話にもありますが、日本の気温の記録にはフェーン現象がよくかかわっています。

今回の北海道の異常な高温は、上空に平年比べてかなり温かい暖気が流れ込んでいたという要因も重なってはいるのですが、その暖気が西から東へ吹く風によって流され「フェーン現象」が起こったことにより北海道の東の地方が異常な高温になってしまったと考えられます。

ではフェーン現象とはどういった現象なのでしょうか。

フェーン現象とは、由来は?

気流が山に当たり、山を越えその風が温かい風となって降りてくる現象のことをいいます。

名前の由来は、ドイツ語で南風を意味する「Föhn(フェーン)」と呼ばれるアルプス山脈の一部で吹く地方風です。フェーンはアルプスを越え乾いた温かい風を山のふもとに送ります。
現在では、同じような風が吹く場所がたくさん存在するため一般用語となっています。

日本でも「風炎」という当て字が使用されていたそうで、聞くだけで暑くなりそうな名前ですよね。

どうして温かい風になるのか

風が山に当たり、山を登るとその風は温度が下がります。
どのくらい下がるかというと、100mにつき約1℃です。
しかし、これは雲がないときの話でかなり高い位置までくると気温はかなり下がっていくため雲が発生します。(雲が発生する理由は、飛行機雲の記事で少し解説していますのでよろしければそちらもどうぞ。)

飛行機雲の原理と天気との関係-誰でもわかる!簡単解説-
飛行機雲ができる原理と、天気との関係性について解説します。

雲が発生した後は100mにつき約0.5℃しか下がらなくなります。
それは水(雲)は空気と比べて温まりにくく冷えにくい性質を持っているためです。

しかし、その雲は山頂につく前にほぼ雨や雪となります。
山頂につく頃には、雲はなくなってしまうわけです。

はてなぎ
はてなぎ

へー、山を登る風は途中で雲になって雨と雪に変わって山のてっぺんではなくなっちゃうんだ

つぐま
つぐま

うん、そのなくなってしまうことが原因でフェーン現象が起こるんだ

山を越えた風に含まれている水分は、雲から雨や雪になってしまったことによりほとんどなくなってしまいます。

そのため山を越えた先の空気は乾燥しています。
空気が乾燥しているということは雲がほとんど発生しません。
雲が発生しないということは天気は晴れということですね。

山を下る風にはさっきとは逆の現象が起こります。
100m下がるにつれ約1℃気温があがります。
登っているときは、同じ高さで雲になっていため0.5℃しか下がらなかった気温が1℃ずつあがっていくわけです。

この仕組みを「フェーン現象」と呼びます。

はてなぎ
はてなぎ

え?じゃあ登っていくときより降りていくときのほうが気温の変化が大きいってこと?

つぐま
つぐま

うん、雲ができる位置より高いところは100m降りるたび、約0.5℃ずつ気温が上がっていくってことだね

はてなぎ
はてなぎ

うわー、じゃあ1000mで5度も高くなるのか

山の麓の気温が高くなるわけだね

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山の麓では

雲の上の山

山が高ければ高いほど気温は高くなります。
さらにこのフェーン現象によって山の麓に降りてくる風はもう一つ性質を持っています。

上のほうでもお話しましたが、水分をほとんど含んでいないため異常に乾燥しているということです。
その上、強い風になることが多いため火災が発生する原因となり、しかも一度発生してしまうとなかなか火を止めることができません。

かなり危険ですね。

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補足

季節について

フェーン現象は、そのメカニズムにより季節を選びません。
そのため、今回のように5月という夏と春の間くらいの季節にもかからわず異常な気温を発生させました。
もともと温かい暖気がフェーン現象によってさらに温められてしまったというわけです。

また、台風によって吹く風がフェーン現象を起こすこともあります。

地域によっては台風が去った後に40℃近い気温になったところもあります。

地域について

さらに、涼しいイメージのある日本海側のほうが高温になりやすいといわれています。
その理由は太平洋側から吹く風のほうがもともとの気温が高いことが多いためです。

日本にはたくさんの山があります。
その山に温かい風がぶつかると山を越えるとフェーン現象によって気温が高くなってしまうというわけですね。

はてなぎ
はてなぎ

山のふもとは暑いんだね

つぐま
つぐま

フェーン現象が起こったら、だけどね

はてなぎ
はてなぎ

でも、火事は怖いなぁ

乾燥している気温が上がる日は気を付けないといけないね

つぐま
つぐま

湿度が高くて気温が高い日は熱中症が怖いから色んなことを心配しないといけないね

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まとめ

  • 「フェーン現象」とは山を登った風が気温を上げて降りてくる現象
  • 水の温まりくく冷めにくい性質により、雲になった際に気温が下がりにくいまま山を越え、降りるときは雲がなくなっているため大きく気温が上がるため
  • フェーン現象が起こった山の麓は火事になりやすく、火も消えにくいため注意が必要
  • 季節関係なく起こり、日本海側のほうが気温が高くなりやすい

今回は「フェーン現象」について解説しました。

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