ストーリーのある読み切り漫画を描きたい初心者の人向けの解説になります。
初めて漫画を描く方や、短い漫画は描いてみたことあるんだけど読み切りってなると難しいのかなって思っている方に向けての記事となります。
次のような悩みがある方は是非ご一読ください。
- 1本の完結した読み切り漫画を描いてみたいけれど、初めてなのでどうやって描いたらいいかわからない
- 読み切り漫画のページ数やストーリーを描き始めるときにどこから手をつけたらいいか知りたい
このページでは、読み切り(ストーリー)漫画の描き方の手順を追って説明しています。
筆者の例も挙げていますので、この記事を読めばどういう流れで読み切り漫画を描いているか感覚的にわかってもらえると思います。
読み切り漫画の描き方
まずページ数を決めよう
初心者の方は、描き始める際にページ数を決めるところから始めましょう。
どこかの出版社に応募するつもりがある方は、賞などで指定されているページ数を把握してページ数を決めましょう。
しかし、筆者は初めて読み切り漫画を描く初心者の方には16ページをお勧めします。
なぜなら、「起承転結」「世界観」「キャラクター」を全て納めた状態で話を完結させることができる一番短いページ数が16ページだからです。
8ページだと短すぎますし、24ページ以上となると初心者には少し長くなり制作が大変になるためです。
ちなみに8とか16の、8の倍数ページが基準になっているのは、商業誌の都合で指定されることが多いからです。(印刷に都合のいいページ編成の単位だからだそうです)
ただし、商業誌を考えない場合はページ数にこだわる必要はありません。
とはいえ、7とか11の奇数ページになると個人誌などを作ろうと思ったときにページがあまったり編集がしづらくなるというデメリットがあるため偶数ページを基本として覚えておくといいでしょう。
ストーリー(あらすじ)を決めよう
ページ数が決まれば次にやることは、ページ数に合わせたストーリーのあらすじを練ることです。
ここの工程で決めることは、上記でも書きましたが「話の起承転結」「キャラクター」「世界観」です。
これを「プロット」といいます。
筆者のやり方としてはまず描きたい話を練って練って盛るだけ盛ります。
そこから人に伝えることができるように、あらすじを起承転結の構成を書き出し、コピー用紙1枚で納められるようできるだけ簡素にします。
決めたページ数に収まらないようであれば、泣く泣く削ります。
今回、筆者が考えたあらすじの例がこちらです。
内容はできれば一切みないでくれ
参考のためじゃなかったの?
そ、そうなんだけど、恥ずかしい
漫画を描く場数を踏んできたら、あらすじを考えてからページ数を決めるという方法もあります。
また、削った設定をどうやってこのページ数に入れ込めるかを考えて漫画を作ることで密度のあるストーリーを描くことができることもあります。
キャラクターを考えよう
工程の順番的にはストーリーを考える前にキャラクターを考える場合もよくあります。
ちなみに筆者はキャラクターや1シーンからストーリーを作るタイプです。
キャラクターを考える作業は、おそらく漫画のプロットを制作している中で一番楽しい作業だと思います。
自分の好みや思いを込めたキャラクターをにやにやしながら描きましょう。
先ほどのあらすじのために改めて描き出したキャラクター表は↓のような感じです。
キャラクター設定の作り方について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
世界観を考えよう
キャラクターは愛を込めて作りますが、設定を盛りすぎてはいけません。
愛を込めたキャラクターの設定を作ることはいいですが、キャラクターに都合のいい盛りすぎた設定は、世界観(シナリオ)自体を矛盾させ読者をおいてけぼりにする可能性があるためほどほどにしておきましょう。
え?さっきと言ってること違わない?
強すぎるキャラクター愛は話自体を崩壊させたりするものさ
話がそれましたが、世界観についてお話します。
世界観とはこういったものです。
- 話のテーマは何か(SF、恋愛、バトル、スポーツ、リアルストーリー系等)
- 話の舞台はどういう場所か(宇宙、学園もの、魔法世界系、現代もの、戦場等)
- キャラクター達のその舞台での立ち位置は?
例えば、このブログのテーマのつぐまの森であれば次のようになります。
- テーマは日常系で、つぐまがしゃべったりしているのでちょっとしたファンタジー要素も入っているのでファンタジー日常(?)といっておきます
- 舞台は、つぐま達の住む森です(あえて言うなら現代ものになる、かなぁ)
- キャラクターの立ち位置は、森の主「つぐま」、世捨て人になった絵描き「草子」、ストーリーやブログのフォローアシスト「はてなぎ」(現段階ではこの3キャラ)
少しあやふやなところもありますが筆者はこんな感じです。
作家さんによっては、世界観がより精密な方もいらっしゃいます。
例えば「ジョジョの奇妙な冒険」の作者である荒木飛呂彦先生は、精密な世界観とキャラクター設定を作ることで有名です。
一人ひとりのキャラクターに対して、履歴書以上に分けた項目を作っており、その数はなんと30項目を超えているそうです。
そのキャラクター達が住んでいる舞台も、住んでいる人口や架空の住所、経済の面まで考えているそうです。
ショート漫画との違い
ショート漫画との違い
ショート漫画の描き方の記事を見てもらった上で、この記事を見ていただければわかると思いますが根本的に作り方が違います。
まだの方はこちらからどうぞ。
ショート漫画は作者の描きたいカットの描き出しを2~4ページの少ないページ数で漫画にすることが主ですが、読み切り漫画は話の始まりから終わりまでの構成が必要なため、ストーリーや設定など組込み描き上げるものとなります。
ざっくりいうと、ショート漫画は「見て!」で、読み切り漫画は「読んで!」となります。(読者を意識した言葉だとこういう感じです)
初心者におすすめなのは?
初心者におすすめなのはショート漫画です。
なぜなら、絵を描くことの経験が少ない方にとっては、いきなり読み切り漫画を描くことはかなりハードルが高いためです。
ショート漫画などで絵を描くことも含め経験を積んでから読み切り漫画を描くほうが段階を踏みながらステップアップできます。
ただし、読み切り漫画を描くことも「漫画を描いたことがある」という経験の中では重要な要素です。
ステップアップとして、読み切り漫画を描くことに挑戦してみましょう。
まとめ
読み切り漫画の描き方として、描き始めに意識する点についてを中心にまとめました。
ネーム以降については別のページにまとめようと思っています。
自分で設定を練り拡がっていく世界観は描いてて
きっと!絶対!楽しいはずだから、楽しんで描けよ!!
草子さん、いつになく熱いね
漫画って楽しく描こうとしても
経験上どうしてもしんどい作業がくっついてくるんだ
趣味の範疇で描いてる漫画なら
本人が楽しくなきゃ意味ないからね
その気持ちを込めただけだよ
- まずページ数を決める、初心者は16ページがおすすめ
- プロット(起承転結、キャラクター、世界観)を作る
- キャラクターは魅力的かつ盛りすぎず、世界観はできるだけ精密に練ることが好ましい
- 初心者のスタートはショート漫画から始めるのほうがおすすめだが、最終的に読み切り漫画に挑戦することが望まし
漫画と絵の描き方のまとめ記事です、興味のある方は↓もご覧ください。
【漫画の描き方についてまとめています】
【絵の描き方についてまとめています】